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●出資型非営利法人制度をつくろう!シンポジウム開催から、その後の動き ―公益法人制度改革をチャンスにできるか― 5月15日、シンポジウム「オルタナティブな社会的起業を目指して―出資型非営利法人制度をつくろう」(ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン/公益法人改革オンブズマン/市民セクター政策機構主催)が開かれ、NPO・えんも企画段階から参加の機会を得ました。 シンポジウムでは、制度の中身を議論する前に、なぜ出資型非営利法人制度が必要なのか、先ずは非営利事業を営む複数の活動現場の声を伝えよう、多様な「仕事づくり」・「働き方」・「変身・転身」についての事例を紹介していこうということになりました。 導入部は5団体の事例紹介で、青森の「市民風車事業と地域おこし」、「神奈川ワーカーズ・コレクティブ゙連合会で展開する212団体の市民事業」、株式会社の形態で展開する異色「千代田区SOHOまちづくり会社」、市民バンクの草分け 「女性・市民信用組合設立準備会」の現状と課題、そしてNPO・えんは、中間支援組織の立場から身近で見てきた「NPOやワーカーズ・コレクティブ゙の事業と働き方の変容」について。報告から非営利市民事業の多様な性格 ―たとえばコンセプト創造型、社会システム提案型、地域の生活エンジン型、マルチ型、複合型(コーディネーターの飯島ツトムさんの表現から)など― が浮かび上がってきてなかなか面白かったです。そして、今回の最終目的「出資の必要性」については、それぞれの体験に基づく事例から、説得力あるアピールができたと思います。 後半のパネルディスカッション「社会的起業を促進するには」では、<資金・税金の地産地消>、<コミュニティへの再投資>といった、非常に興味深く、実現可能なテーマも出されました。つまり、NPOは剰余が出た場合、これを税として払うのではなく、地域へ還元(寄付)していく選択を!ということです。(そのとおりですね、2度と同じ過ちはしないぞ!!)これを進めるためには、多様な非営利団体による受け皿づくりが求められます。またこれに関連して、自治体の市民活動基金づくりを進め、このファンドに寄付をすると所得税控除になる仕組みにも話が及び、時間が足りないほどでした。 さて、その後の公益法人改革については、このシンポジウムの影響が大きかったようで、公益法人改革オンブズマンが行政改革推進事務局と何度も意見交換を行ったところ、非営利法人ワーキンググループ゚では、出資型(財産拠出型と表記)非営利法人が原案に入ることが決まりました。(バンザ〜イ!!!と、オンブズマンの浜辺哲也さんから喜びの連絡)しかしその後の有識者会議で、この原案に対し、あろうことか(というか案の定というか)既存の公益法人関係者から反対意見・否定的見解が出され、これに対し公益法人改革オンブズマンは、緊急署名(NPO・えんも参加)を集め、申し入れを行うという事態になっていまして、予断は許されません。全国で約580団体に上るワーカーズ・コレクティブ゙の70%は法人格を持っていない現状にあり、この公益法人制度改革をチャンスにできるかどうかは、公益法人守旧派(既得権護持派)との闘いに移ってきたようです。とはいえ、議論の俎上に乗ったことは前進です。 (本間) ●特集 市民がつくる中間支援組織 ■市民活動支援のさきがけとして30年、NPO法人として再生 NPO法人市民活動サポートセンター・アンティ多摩 「市民活動支援そのものを具体的な事業として最初にかかげたのは、東京都立多摩社会教育会館内(立川市)に設置された市民活動サービスコーナー(以下コーナー)」といわれています。コーナーは、1972年10月「都民の日」に当時の美濃部都知事の発案で設置されました。発足時から非常勤職員(正規職員としての新規雇用はなかった)として関わった山家(やんべ)利子さんは、「当時は公害、食品添加物などの社会問題が表面化して、消費者運動が高まり、市民活動が盛り上がってきた時期だった。」と語ります。都は主権者意識の涵養を目的とする社会教育として位置づけ、そのあるべき姿として「市民のひろば」という形を打ち出しました。また、このコーナーの名称によって、「市民活動」という言葉が、サークル活動から住民運動までの広い範囲の市民の自主的活動を示すものとして一般的に使われるようになりました。コーナーはその後30年にわたり、情報・資料の収集・提供、市民活動情報誌「市民活動のひろば」の編集、市民団体の活動援助や講師派遣事業、市民活動の交流のつどいの開催等、公設公営の中間支援組織としての活動を行ってきました。しかし、石原都政の行政評価の対象となり、2002年3月に廃止され、非常勤職員は全員解雇されました。 山家さんは「市民活動の力が認識されるようになってきた今こそ、多様な活動や団体への支援は必要。コーナーがなくなるのであれば民間で続けられる母体を作ろう」と、仲間たちとNPO法人市民活動サポートセンター・アンティ多摩を立ち上げ、支援の仕事を続けています。「市民活動のひろば(市民版)」の発行、閉鎖された都立多摩社会教育会館専門資料室の資料の移管と再活用をすすめる活動、市民活動援助事業、市民活動をネットワークする事業などをおこなっています。(「市民活動のひろば(市民版)」は、発行委員会からの委託) 6月19日、アンティ多摩の総会に参加しました。今年度の大きな事業は、多摩地域の市民活動・NPO支援センターの調査事業です。また、立川駅近くのビルの3階のスペース「市民活動たま」の管理・運営にも取組みます。団体として、当面の課題は人的基盤・財政基盤の確立。これは民間の中間支援組織が慢性的に抱えている問題でもあります。 *「アンティ」とは"おばちゃん"という意味。あったかくて頼りになる、知り合いのおばちゃんのように市民活動に必要なことのお手伝いをしますとのこと。 〒190-0022 東京都立川市錦町3-1-28-301 T&F 042-540-1663 E-mail: antytama@mx15.freecom.ne.jp ■市民自治と公設民営の市民活動推進センター アンティ多摩の総会のあとの集会で、NPO法人ふじさわNPO連絡会(以下連絡会)事務局長黒川栄さんの話を聞きました。連絡会は「藤沢市で、行政や企業がNPO支援への取組を検討し始める動きの中で、市民団体自身が分野を横断して連携し、相互支援や政策提言をおこなっていくことが重要だ」といろいろな分野の市民団体が集まって設立しました。3年前、藤沢市市民活動推進センターの運営団体募集を決めるコンペに応募し、僅差で受託は叶わなかったとか。今年度、センター運営団体の再募集が行われますが、現在の藤沢市の委託料では、人的配置を含めセンターを運営していくのはかなり厳しいとの考えから応募するかどうか思案中とのこと。「安上がりの行政利用に手を上げていく必要があるだろうか。これからの中間支援組織に必要なのは、どういう市民自治が必要なのか、『新しい自治のあり方』について行政に声を上げていくことではないだろうか」と黒川さんは話します。「公設のセンターは行政の視点での運営を強要する。市民活動は行政ができないことを担保するもの。そこをどう働かせていくかが中間支援組織の任務ではないか」と。 ■地域コミュニティづくりに貢献する武蔵野市のコミュニティセンター 武蔵野市は1971年、全国に先駆けて武蔵野市コミュニティ構想を策定し、地域コミュニティづくりを展開しました。同市は町会の全くない市としても有名ですが、コミュニティセンター(以下コミセン)は地域のコミュニティ形成の役割を果たしてきました。生涯学習への支援やまちづくりの推進の場とも位置づけられています。 コミセンは、当初からどこも市民の自主参加、自主企画、自主運営を基本にしていて、それぞれの地域で住民総会を開き、コミュニティ協議会を立ち上げ、そこが市からの委託金をもとにそれぞれのコミセンを独立運営しています。ですから、館によって内容はまちまちです。 現在コミュニティセンターは16館あります。その一つ、15番目のコミセンとして1988年にできた「けやきコミセン」へ行ってきました。ここは住民主導で用地選定から、建物設計(設計はいわさきちひろ美術館(練馬区)をてがけた早川氏)、内装までかかわり、7年かけて完成したそうです。住宅地の中で木々に囲まれたアットホームな建物が印象的でした。協議会の運営委員がローテーションを組んで1日3交代、二人ずつ詰めています。委託費のほとんどが人件費に消えるとのこと。しかし自主運営することで、少ない予算で多くの企画が出来るのだといいます。市民のフットワークの軽さとボランティアによるものが大きいようです。利用団体のネットワークにまでは至っていないものの、市民団体同士の横のつながりはできているとのことでした。 2003年から各館運営に関する評価委員会の制度を設け、その評価結果は公表されます。 ■中間支援組織に必要とされるもの NPOえん発行のブックレット「子育て支援NPOおたすけハンドブック」にも掲載したように、各自治体の市民活動支援窓口はさまざまです。都は生活文化局、区部では事業系NPOが多いせいか地域振興課といった従来からある課で対応しているところが多く、市部では市民、コミュニティ、協働といった名称をつけているところが多く見られます。総務課や企画推進室などが、担当しているところもあります。 NPOは、役所の縦割りの枠を超えた分野で活発に社会貢献活動する市民団体が多数出現し、そうした団体に法人格を与えるためにできたと認識していますが、そう考えると、行政の既存部署で対応すること自体無理なことなのだと思います。また、公設公営、公設民営、民設民営などという形があるなかで、参加者意識を持ち、「自分達の問題を自分達で解決していこう」という市民の存在がそこにあるかどうか、またその存在をきちんと受け止めているかどうかが、中間支援組織に問われているのではないかと今回感じました。 (馬場) 参考:たあとる通信No.13特集「サポートセンターを考えるPart2」 NPO法人まちづくり情報センターかながわ(アリスセンター)発行 NPO法人ふじさわNPO連絡会リーフレット/HP NPO団体紹介 ●3年目に突入する市民メディアOurPlanet-TV 白石 草(はじめ) 学生や社会人が映像で情報発信中 「未来の地球を考えたい」 OurPlanet-TVは、こんなキャッチフレーズを合言葉に動画配信をしている非営利のインターネット放送局です。2001年の同時多発テロ直後に「開局」。以降、既存のテレビでは放送されないようなセンシティブなテーマや地域の地味な出来事なども積極的に扱っています。 今年は活動を始めて3年目。この4月にはサイトを全面リニューアルし、「Planet-Eyes」と題するレギュラー番組を月2本配信するなど活動も活気を帯びてきました。運営の中心スタッフは、放送局で働いていたディレクターなどいわば映像のプロフェッショナルですが、実際の番組制作者はほとんど一般市民のボランティア。映像制作は初めてという人から、別の仕事を持つ会社員まで、およそ30人の市民ジャーナリストが新しい世界に挑戦しています。 例えば、Yさん(女性・26歳)は法律事務所の事務職員。かねてから映像に興味を持っていたという比較的おとなしいタイプの女性です。今年の1月、偶然OurPlanet-TVのスタッフと知り合い、ボランティアに参加。現在は毎週水曜日の夜間に開講しているOurPlanet-TVの映像ワークショップを受講しながら、障害者をテーマとした自分の取材を進めています。しかも、4月には「Planet-Eyes」のキャスターも初体験。1年後がとても楽しみなほど、映像の世界を広げています。 ちなみに、私たちは自分たちのオフィスのことを「メディア・カフェ」と呼んでいます。誰でも集える市民メディアの拠点にしたいと命名したもので、将来は放送スタジオを併設した本当のカフェを運営したいと本気で計画しています。とにかく楽しくオープンな空間ですので、興味のある方は是非一度お立ち寄りください。 ところで、OurPlanet-TVはこうした市民メディア作りの他に、他のNPO・NGOを映像でサポートする事業も行っています。自分たちの活動をビデオに残しておきたい。○○に関する啓発ビデオが作りたい。もっとうまくPRしたい。そう望む団体に対して、それぞれのニーズに合わせたパッケージビデオを制作しています。これまでに、マラソンランナーの有森裕子さんが代表を務めるNPO「ハートオブゴールド」やDV防止に取り組む「G−Plannning」などのビデオ制作や動画配信などをサポートしてきました。今後、この分野に力を入れるとともに、他のNPO/NGOとももっとネットワークを強化したいと考えています。 OurPlanet-TV(アワー・プラネット・ティービー) http://www.ourplanet-tv.org 文京区本郷1−33−3後楽園キャステールビル310 Tel:03-3814−1160 Email:info@ourplanet-tv.org ●エコスタッフ@めぐろ 目黒区社会教育関係団体登録 環境ボランティア・グループ 星野 智子 私たちエコスタッフ@めぐろの結成のきっかけとなったのは平成15年3月、行政(目黒区環境清掃部環境保全課)とボランティアの協働で実現した「エコトーク」というイベントです。"商店街と話そう「環境と共生する商店街」"というテーマで日頃なかなか一堂に会すことのない商店街や工場など事業者、住民、NPOから100名余りの参加者が様々な立場を超えて地域の環境問題を共有し、問題解決に向けて活発に意見交換する場を提供しました。この時、ファシリテーターをかってでたスタッフが、その後も「身近な環境のために何かしたい!」と行政との協働による活動を開始。団体というにはまだまだ生まれたての私達です。 これまでの具体的な活動の場は、地元の商店街が中心。日常の買い物、なかでも毎日の食料調達の場である地元の商店街は、利用者にとって有益なエコ情報の窓口になりえると同時に、エコは地元の商店街にとっても新たな活性化の糸口になりえるのでは…。私たちはここに着目し、事業者と住民、行政が協働で作り上げていく『環境にも人にもやさしいまちづくり』を目指しています。 まず、学芸大学鷹番三丁目本通り商店街が「エコ365」に改称することをきっかけに、マイバック・マイ箸などの利用者に対しポイントで各店舗のサービスを還元する『エコポイント』の提案に尽力。「さくらまつり」をはじめ各種行事に参加し環境配慮型の食品容器の紹介や「エコ商店街アンケート」、カブトムシやミミズを使った環境学習などエコイベントの企画、実施に貢献しました。さらに自由が丘商店街では「エコぐるめ」という新しい食文化を提案、エコに配慮したレストラン等をインタビューし、その取り組みを評価する印刷物を「自由が丘女神まつり」にて配布しました。 年齢層も活動領域も幅広く和気あいあいとしたメンバーによる活発な活動で、区内での認知度も次第に高まってきました。今後は、学校など様々なコミュニティーに活動の場を拡げ、主に次世代を対象とした「環境学習プログラム」の実施、商店街や事業者の「エコ取り組み支援」、さまざまな住民活動団体相互の「ネットワーキング推進」を3本柱にイベントやワークショップなどの企画を通して、足元からできる地球のことについて考えていきたいと思っています。難しい知識よりも、無理なく楽しく多くの人々と共有できるエコ的ライフスタイルを提案するために、少しずつでも地域の皆さんのエコ的取り組みを応援したいというのが、私たちエコスタッフ@めぐろのスタイルです。 ●地元を訪ねて 江東区発 家庭出産で200人の命をとりあげて」 石村 あさ子さん(助産婦) 江東区東陽町に家庭出産の助産所を開いてから7年が経過します。「これからは家庭出産の仕事をしていきます」と保健所の保健婦さんに宣言した時、「今どき家庭出産なんてあるはずありませんよ」と言われてしまった程、病院での出産が当たり前の時の開設でした。身近に家庭出産がしたいという方がいたわけでもなく、自分の腕に自身があった訳でもありませんでした。 その頃、私は、江東区健康センターで老人訪問介護の仕事に携わっていました。そこで、家庭で充分に介護されて安らかに旅立ってゆく方に出会い、本人はもちろん満足そうでしたが、家族の方も、してあげるべきことは行ったという充実感を得るのだなと実感しました。そして同時に、『私は助産婦なのだから、この世に生まれて来る赤ちゃんを、家庭の中で、愛情一杯の環境の中で、自然に迎えてあげることができたら、赤ちゃんはもちろん、両親や兄弟にとってもどんなにか良いだろう』と思い、それを実践してゆこうと思ったことが、家庭出産をめざすきっかけとなりました。 女は、太古の昔から子供を産み続けてきたわけですし、昭和30年位までは、ごく普通の出産方法だったのですから、危険因子を取り除く努力さえできれば、合理的で経済的なのは確かです。ですが、「なにかあったらどうするの」という先入観が根強く、不安を抱えての仕事は出来ないと最初は思っておりました。ところが、幸いにも医療連携を積極的に行ってくれるお医者様に出会うことが出来、実現の運びとなりました。 これまで、約200人(年間30人前後)の赤ちゃんを取り上げさせていただきました。安産の方も難産の方もいらっしゃいますが、共通しているのは、出産後の育児に手こずっている方がいないということです。子供を産むことや育てることは、動物として持っている本能で当たり前のことなのだと、つくづく思い知らされます。 時々、成長した子供達がお母さんと会いに来てくれますが、のびのびして、とても子供らしい子供たちばかりです。世間では子供の虐待が話題になったりしていますが、この方々には考えられない、あり得ないことでしょう。また出産だけではなく、乳腺炎等、おっぱいのことや、育児相談、栄養士さんによる離乳食指導を行っております。若いお母様方が健やかに育児に取り組めます様、私に出来る限りの事ができますように祈る毎日です。 ** 現在江東区で、自宅出産に関わっている助産婦さんは、実は石村さんおひとりだけだそうです。「助産婦会」という組織があるので、もっと何人もいらっしゃると思っていたのですが。石村さんのお話しによると、一般的に「自宅出産」に耐えられる条件(健康状態、家族の協力等々)が揃っていないケースがほとんどなので、逆に自宅出産できる女性は、ある意味で「エリート」なのだそうです。「エリート」が「誰でも普通に」に変わっていけば、もっと沢山の「家庭出産」に携わる助産婦さんが必要とされていくのでしょうね。 石村さんの「家庭出産を通して“家族の絆の回復”と“男性の意識の変化”が出てくるように感じます」という、体験に裏打ちされた言葉はとても印象的でした。 ⇒ニュースレター最新号・インデックスへ |
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