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 ニュースレター : 20号

●女性
 安心して過ごせるスペース  NPO法人サポートハウスじょむ 理事 まきたまゆみ

 
サポートハウスじょむは、性暴力の被害にあった女性や働く意欲はあっても働けない女性たちが昼間安心して過ごせるスペースです。性暴力の被害にあった女性の支援をきっかけに2002年につくられました。
 新聞からもテレビからも毎日のように被害にあった女性のことが伝えられています。それだけでもきつい被害に加えて、医者や警察、親や友人から心ない言葉をかけられるなど2次被害にあうことも多いのです。「どうしてそんな所に行ったの」「拒否できなかったの」と。何気なく言われる言葉がどれだけ当事者にショックを与えるかはかりしれません。また、被害にあった女性が、どうしてアルコールを飲んだのだろう、どうして車に乗ったのだろうなど自分を責め続けています。
 じょむは、どこにも出かけられず家に閉じこもっていたが、少し外に出られるようになった。でも行き場所がない。ひとりでいると不安になる。社会から取り残されそうな気持ちになる。そんな女性たちに利用してもらえる場所です。開設時間の間は、ゴロゴロしたり、音楽を聴いたり、自由に過ごすことができます。パソコンを使うこともできます。 
 「プログラムもない、治療ではないデイケアがほしかったので、じょむは居心地が良い」「想像していたより明るくてきれいな場所でした」「駅から近いのでアクセスが良くて助かります」「都心なのに静かで緑も多くて落ち着きます」。これまでじょむを利用してもらった方々の感想です。
 性暴力の被害にあった女性は、仕事をはじめ日常生活を送るのに困難を伴う場合が少なからずあります。そのため治療やカウンセリングに出かけたとき、側に男性がいるだけで落ち着かなくなることもあります。じょむは女性限定。スタッフは来訪者にまず、温かいお茶をいれてくつろいでもらうことを心がけています。
 いまのところの利用者はクチコミがほとんど。女性センターや知人に頼んでじょむのチラシを置かせてもらっていますが、なかなか広報が行き届かず、現在は貸しきり状態が続いています。利用者は少ない方がいいに決まっています。でも利用者が少ないのは、じょむの存在が、必要とする女性たちに届いていないから。多くの機会にじょむの存在を伝えていきたいと思います。じょむは漢字を当てれば女の夢。性暴力がなくなることは女の夢です。夢に終わらせないようにしたいものです。
 開設は毎週火・木 10時半〜16時半 入会金 2000円 1日利用料金500円見学可(1時間以内)
 場所は東京都内 連絡 /Fax03-3320-5307


●在日外国人の子どもたちと母親を支援
  特定非営利活動法人 多文化共生センター・東京21  田中 阿貴


 95年の阪神・淡路大震災において多文化共生センターの前身、「外国人地震情報センター」では、延べ15言語による電話相談やニュースレターの発行などにより外国人被災者支援を行ないました。その後、国籍や言語、文化の差異を認め、尊重しあうことにより多様で豊かな生活空間を共有する社会、「多文化共生社会」をめざし、95年10月より「多文化共生センター」として活動を発展させました。2000年には法人格を取得し、現在は大阪、京都、兵庫、広島、東京と5つの地域で活動を行っています。
 東京では、2001年にスタートし、「子ども」と「ことば」をテーマに様々な活動を行っています。毎週土曜日には、高校受験を控えた外国籍生徒を主対象に、日本語や教科の学習支援を行なっています。日本語や教科を教えるのが一番の目的ではなく、様々な背景を持つ子ども達の居場所づくりが一番の目的です。言葉や文化の違いから、学校では自分を出せない子どもたちも、同じ環境の子どもたちと出会うことにより、安心して自分を出せる居場所になっています。
 また、月に3回、異国で子育てに追われ、孤立しがちな子育て中の外国人女性を主対象に、子育ての悩みを共有し、情報交換などができる居場所作りを台東保健所と行なっています。参加者からは、「日本語がわからないので情報が少なく、子育て方法が正しいか不安」、「外国人であることがわかると公園で無視された」、「子どもが持ち帰るお便りが読めない」、「子どもがいじめられたらどうしよう」、「子どもに母語を教えたい」、など様々な悩みや不安、あるいは期待の声が出ています。
 他にも、年2回外国籍生徒や保護者を対象に、高校の種類や費用、試験などを多言語で説明する「進路ガイダンス」、教育や生活の問題に対応する「多言語生活相談」、通訳・翻訳者の育成と派遣を行なっています。また、直接的な支援活動だけではなく、社会への働きかけを理念に掲げ、外国籍児童・生徒の教育実態調査を3年間行なってきました。各区の担当を訪れ、外国籍児童・生徒に関するデータを収集し、報告書にまとめ、行政へ提言を行っています。
 これらの活動は、ボランティアが中心になって行っています。ボランティア希望者には、毎月第2土曜日の午後1時よりボランティア講座を行っています。また、当センターを支えて頂く会員や寄付も募集しております。ぜひ、お問合せください。
 〒111-0051 東京都台東区蔵前2-7-6  TEL&FAX: 03-5825-1290
 Eメール:cmia-tk@tctv.ne.jp   http://www.tabunka.jp/tokyo/

●特集 平和
≪講演会報告≫
  講演会 「なぜ戦争は起こるか−グローバリゼーションがもたらしたもの
        行動する市民/つながるNGO/NPO」
  講 師:北沢 洋子さん(国際問題評論家)


 多くの反対の声を無視して、遂にイラクへの自衛隊派遣が閣議決定され、派兵の準備が着々と進んでいます。いま日本政府は、まさに新潟県加茂市長の言「狂気の沙汰」をもって、取り返しのつかないリスクを承知で大きく舵を切り、平和に背を向けた針路をとろうとしています(絶対反対!)。 
 12月7日(日)の午後、北沢洋子さんをお招きして上記の講演会を開きました。テロや武力紛争が絶えることの無い土壌について、その根源的な問題をもっと深く知る必要があると考えたからです。また、グローバリゼーションが格差と貧困を生み出し、その皺寄せが女性と子供達により過酷に集中している現実から、当ニュースレターの17号で特集した「女性と反戦」の延長線上でこの講演会を企画しました。
 北沢さんの講演から一部を紹介しますと、経済のグローバリゼーションが拡大した結果もたらされたことは三つあります。@貧困の増大(15億人が基本的な生存権が奪われている絶対的貧困にある)A格差の増大(最貧国49カ国のGNP ? ビルゲイツなど金持ち3人の資産)B経済のカジノ化(98%は投機資本、実体経済2%)。グローバリゼーションの全てが悪いのではなく、恩恵を受ける人と貧しい人びとの格差がこのように拡大することが問題なわけです。
 債務危機に陥った第3世界に債務の返済を迫るIMFや世銀の「構造調整プログラム」は途上国に緊縮財政を促し、更に規制緩和、貿易・外国投資、金融の自由化が途上国の経済に破壊的な影響を与え、「開発融資」や「救済融資」は本来の目的を外れて貧困層・弱者に一層の皺寄せを生じさせる矛盾。北沢さんのお話しを伺うにつれて『許せない』気持ちが募る一方でした。投機資本の活用策としての外国為替取引税(トービン税)の導入にも、EUは前向きだが日本は反対しているとか。
 国連が取り組むグローバルイシューの数々について話が及ぶ中で、現在ミラノで「地球温暖化防止条約」締約国会議が開催中だが、経済のグローバリゼーションを引き起こした多国籍企業に対する規制力として有効であるにもかかわらず、日本ではろくにマスコミでも取り上げられず、日本がリーダーシップを取る気配もないことを北沢さんは指摘。(その後少し遅れて新聞では掲載されましたが)
 国連といえば、冷戦後の国連は、加盟国全体の合意形成に時間をかけた運営をしているということ、従って国民は国連決議で自国が何を合意してきたかを「知ること」が必要だとあらためて確認しました。
 一方、99年シアトルでの反WTOデモ以来、反グローバル化の波は年々大きくなり、NGOを中心としたグローバルな世論が対抗勢力として形成され、自然な流れで次の2つの共通スローガンが定着してきたそうです。@企業に主導されるグローバリゼーションに反対 A人間より利潤を重んじるグローバリゼーションに反対 昨年9月のWTOメキシコ会議で、現地に行かれた北沢さんによると、一番特徴的だったことは、途上国が目に見えて力をつけてきたことだそうです。これまでの「食糧安保」から「食糧主権」へと主張をシフトさせ、NGOと連帯して米・EUに対抗。因みに日本はいずれのグループでもなく、その他グループに身を置き蚊帳の外で、影が薄かったとか。
 途上国の発言力アップの背景には、民衆が力をつけてきたことがあるそうです。このことは、WTOの場のみならず、自国のガバナンスにも影響力を持つ様です。
 最後に、「企業主導・人間より利潤優先のグローバリゼーション」に対するコントロール機能を期待できるものとして、オルタナティブとしての「連帯経済」についてのお話がありました。協同組合、共済組合、NPO、NGO、地域通貨、マイクロクレジット、フェアトレード等、人間の連帯を追及する経済活動を進めることを、北沢さんは提案されました
(「社会的経済」と呼ばれるものと同義かなと思いつつ、NPOの一員として期待される側にいることにちょっと緊張)。
 また会場からは、先進国にくらす私たちが、現在の生活水準を落とすことを真剣に考え、実践できるかどうかが問われているのではという問題提起もありました。
個々の生活水準の見直しからカジノ経済への歯止め策まで、貧困の土壌にメスを入れていくことは並大抵ではないことが分かりました。しかしいかに遠回りでもこれらを進めていくことこそ重要だということを、「テロに対決すること」を至上目的とする日本政府に言ってやりたい思いです。    (本間 恵)

●地元を訪ねて 江東区発

  楽しくボランティア活動をする女子中・高生たち  中村学園(中学校・高等学校)

 地元江東区でボランティア活動を、女子中・高生たちが積極的に行っている学校があるという情報を知り、どんな活動をしているのか是非取材したいと申込み、快く応じて頂いた。大江戸線・半蔵門線の清澄白河駅を出てすぐ、学園の生徒らしき女の子に場所を聞くと、丁寧に学校の受付まで教えて貰い感じの良い生徒に感動しながら、清澄庭園添いの道を5分程歩いて行くと、右手に近代的な建物、女生徒に教えられた通り受付へとたどり着いた。建物を見る限りでは想像できないが、100年の歴史を持つ中村学園は、明治36年に明治屈指の実業家、中村清蔵により私立深川女子技芸創立。同42年には新校舎を建築、本校の前身である中村高等女学校として始まった。
 中村学園のボランティア活動の始まりは、39年前(1964)、校友会総務役員の生徒達が中心になり、全校あげて行われるようになり、ボランティア部が発足したのは28年前(1975)。その後、地域に根ざした奉仕活動が続けられ、江東区学童・生徒ボランティア活動普及事業協力校に指定(1989年)。その後も「福祉活動奨励賞」をはじめ各賞を受賞。
 現在、ボランティア委員会が学校全体の年間活動計画を運営している。(校内)・使用済み切手,テレフォンカードの回収。(校外)・春・秋のあしなが学生募金の土,日4日間を始め 、活動先もさまざまで、区の行事や老人ホーム、 児童館、保育園等、季節ごとに複数ヶ所で活動している。活動参加への募集は、部がその都度通信で学校全体に呼びかけている。部員数は、中・高合わせて10名前後。部の独自活動は、講師を呼んでの手話講習会(週2回)主に手話ソング、今年11月から月1回、ろうあ者の人達との交流開始・校内行事での発表・病院、保育園でハンドベル部との合同演奏・文化祭で美術作品販売(収益金はユニセフ募金へ)・「ボランティア'S Letter」の発行、この通信は、募集はもとより手話やボランティアに関する豆知識、参加した生徒の感想等を載せている。
 委員会と部は2人の先生により、運営されている。ボランティア部担当は、菅野香桜里先生。今回お会いした、ボランティア委員会の委員長と部の顧問でもある、教師2年目の日吉愛沙先生は、「この学校に来て驚いた事は、生徒達の目が輝いている、ほとんどが校外活動だが、あしなが学生募金以外は、生徒達だけで出向き、先生とのやりとりは、全て日誌。基本的に活動は生徒達が生徒達の手で行っている。活動参加者もリピーターが多く、参加した生徒からの口コミでの影響力がかなり大きい。今年春の「あしなが学生募金」は4日間で中高合わせて55名が参加、頭が下がる思い。生徒達自身中村学園の全てが素晴らしく自信を持ってアピールしたい」 と先生自身の目も輝いていた。「うちの学校はすごいですよ!」と力強く話される小林和夫校長先生を筆頭に、学園全体が一丸となり盛り上げているという感。「個性の完成」を目指す学校が掲げている教育目標「三つのS」の一つ、人に親切をつくす=Social Serviceが生徒達の心にしっかり根付いていた。   (平良 順子)

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